2001年5月21日(月)15:30-17:45
日本−米国−途上国の協働:二つの事例より
進行役:
ウェイン・エルスワース氏(ICA文化事業協会
副理事長)
発表者:
福岡史子氏(コンサベーション・インターナショナル(CI)日本代表)
初沢美香氏(家族計画国際協力財団(JOICFP)アシスタント・プログラム・オフィサー)
カルロス・ソーザ氏(プロペテン・グアテマラ事務局長)
ナランゲレル・リンチン氏(センター・フォー・シチズンシップ・モンゴリア共同設立者・現ディレクター)
黒田かをり氏(アジア財団副代表/CSO連絡会共同代表)
山本理夏氏(ピース・ウインズ・ジャパン海外事業部責任者)
日本−米国−途上国の協働の実例が二つ紹介されたが、効果的な三者間の協働のあり方や現地レベルで醸成される協力関係から何を学べるかなどが話し合われた。ICAのウェイン・エルスワース氏がモデレーターを務めた。
事例1:グアテマラにおける自然環境保全と人口・保健分野の連携構築
発表者は、コンサベーション・インターナショナル日本代表の福岡史子氏、ジョイセフ(家族計画国際協力財団)企画開発事業部アシスタント・プログラム・オフィサーの初沢美香氏と、グアテマラのプロペテンのディレクターであるカルロス・ソーザ氏の3名。このプロジェクトは以上の3団体の他に、米国政府、日本政府、ペテンの保健省との協力事業で、ペテン地域の自然環境保全と人口・保健分野を統合し包括的に取り組んだ画期的なものである。
福岡氏は、この3者による独特な協働プロジェクトを概説した。初沢氏はジョイセフがアプロファムという人口・保健と環境の統合プロジェクトを支援するに至った経緯を紹介した。プロペテンは後にこのプロジェクトに加わった。ソーザ氏は日米協力によってこのプロジェクトが可能になったことを強調した。つまり、プロジェクト実施にあたり、資金は日米両国の開発援助機関やジョイセフ、ペテン政府の保健省からの援助で、人材は米国の平和部隊や日本の青年海外協力隊から優秀な人が送り込まれている。コンサベーション・インターナショナルはこのプロジェクトの経験を生かし、同じように環境問題と人口増加が相互に関連しあっているような別の地域にも展開することを考慮に入れている。
事例2:モンゴルでのシビル・ソサエティの強化のための協働セミナー
発表者は、センター・フォー・シチズンシップ、モンゴリアの設立者であり現ディレクターであるナランゲレル・リンチン氏、アジア財団日本副代表の黒田かをり氏とピース・ウィンズ・ジャパンの海外事業部責任者である山本理夏氏の3名である。
リンチン氏は冷戦後に出現したモンゴルのシビル・ソサエティの発展の歴史を紹介した。
1997年に施行されたNGO法によって法人格を取得した団体は2000以上にものぼる。シビル・ソサエティの発展はモンゴルにとって重要である。一方で、モンゴルのNGOは多くの課題に直面しており、特に資金調達の困難さやキャパシティ不足などが挙げられる。
黒田氏は、センター・フォー・シチズンシップ、アジア財団、ピース・ウィンズ・ジャパンが2000年9月にモンゴルで協働実施した「NGOの財政持続性のためのセミナー」を紹介。異なる団体間の協働事業はシナジー効果を編み出し、それぞれが単体で行うより大きな結果が得られたと述べた。山本氏は、異なる団体が共同で行った本セミナーの困難な側面とポジティブな側面を披露した。困難な面としては、目的やアプローチ、コミュニケーションの方法などが異なる団体間での準備・実施に手間がかかる
ことを挙げ、プラス面は、予想以上の成果が挙げられたことと、現地のNGO間の連携が強化されたことを挙げた。リンチン氏は、本セミナー後に、同じようなキャパシティ・ビルディングのプログラムが地元主体で実施されていることと、本セミナーに関った団体間で今後に向けて協力関係の継続が話し合われていることを最後につけ加えた。 |