2001年5月22日(火)9:00-10:45
NGOと国際開発銀行とのパートナーシップ
進行役:
ジョセフ・コーエン氏(アカデミー・フォー・エジュケーショナル・ディベロップメント(AED)シニア開発スペシャリスト)
発表者:
荒川博人氏(国際協力銀行(JBIC)NGO・地方公共団体連携担当審議役)
ユミ・セラ氏(世界銀行NGOシビル・ソサエティ・ユニット)
ロバート・ドゥービアス氏(アジア開発銀行(ADB)NGOセンターNGOネットワーク・コーディネーター)
討議者:
片山信彦氏(ワールド・ビジョン・ジャパン理事・事務局長)
ウィリアム・リース氏(国際青少年育成財団(IYF)C.O.O/日米官民パートナーシップ(P3)共同代表)
サンディ・バフェット氏
(ノーティラス・インスティテュート・フォー・セキュリティ・アンド・サステイナブル・デベロップメント、シニア・プログラム・オフィサー)
このセッションは、国際開発銀行とNGOの代表を招き、両者のパートナーシップのあり方について話し合った。モデレーターはアカデミー・フォー・エジュケーショナル・ディベロップメント(AED)でシニア開発スペシャリストを務めるジョセフ・コーエン氏。コーエン氏は、このセッションで発表する国際開発銀行−国際協力銀行(JBIC)、世界銀行、アジア開発銀行(ADB)−を紹介し、昨今、どの銀行も貧困削減と現地のNGOとの連携に重点をおいていることを述べた。コーエン氏は、これらの銀行が創設している特別な基金や他の資金メカニズムについても触れた。
JBICのNGO・地方公共団体連携担当審議役をつとめる荒川博人氏は、CSOとの協働を推進する新しい政策について述べた。JBICは、伝統的なインフラ・プロジェクトを実施する際に、環境や社会的イシューに前にもまして注意を払うようになってきている。そのためにも、現地のNGOのみならず北のNGOとの協働を推進している。
世界銀行は1970年代の頃からNGOと協働してきた長い歴史がある。世銀NGOシビル・ソサエティ・ユニットのユミ・セラ氏は、包括的開発のフレームワーク(CDF)に見られるように世銀の開発へのアプローチが近年変わり、国別の開発のプロセスにシビル・ソサエティが果たす役割を強調していることを述べた。シビル・ソサエティは借入国の国別援助戦略(CAS)の作成においてもコミュニティ主導型の開発(CDD)においてもシビル・ソサエティは重要な役割を担っている。セラ氏は、NGOの透明性やアカウンタビリティの確保がますます求められているが、世銀に対してだけではなく、その地域のニーズや住民の声を反映する為には、地域住民に対してもその責任を果たさなければならない、と締めくくった。
ADBに新設されたNGOセンターでNGOネットワーク・コーディネーターをつとめるロバート・ドゥービアス氏は、ADBとNGOの関係やNGOセンターの役割、NGOとの協力の政策フレームワークなどについて説明した。
3人の討議者は、ワールド・ビジョン・ジャパン理事・事務局長の片山信彦氏、青少年育成財団(IYF)のC.O.O.(執行最高責任者)であるウィリアム・リース氏とノーティラス・インスティテュート・フォー・セキュリティ・アンド・サステイナブル・ディベロップメントのシニア・プログラム・オフィサーであるサンディ・バフェット氏で、いずれも国際開発銀行と協働してきた経験が豊富な人たちである。
片山氏は、巨大な組織と働く場合のNGOの自主性や独立性、パートナーシップを組むタイミング、そしてその際に求められるNGOのキャパシティという重要な課題を取り上げた。リース氏は、官民協働は重要であり、国際開発銀行は融資よりも助成金の部分をもっと増やし、効率性と効果を高める為にも煩雑な手続きを簡素化して欲しいと訴えた。バフェット氏は、民間による海外直接投資がODAを上回る今、開発において民間企業の果たす役割が大きくなっていることを話した。開発の分野によっては、NGOと企業の競合が起きうるかもしれない。バフェット氏は、国際開発銀行が社会的イシューに考慮する際に、それぞれの対民間企業戦略の中に企業責任を導入した方がいいと提案した。企業責任は、よきガバナンスに不可欠なものだからである。
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