CSO連絡会
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第3回日米CSOフォーラム
 
効果的な日米協力に向けて

進行役:
ベリル・レビンジャー氏
 教育開発センター(EDC)組織学習・開発センターディレクター


発表者:
ジェリー・インマン氏
 
日米コミュニティ・エクスチェンジ(JUCEE)理事長
福岡史子氏 コンサベーション・インターナショナル日本代表
長畑 誠氏 
NGOコンサルタント、NGOシンクタンクのための準備委員会
ダグ・ノーレン氏 
パシフィック・エンバイラメント 政策ディレクター、
アンドレア・エッシェン氏 
エンジェンダーヘルス プログラム開発&マーケティング・シニアマネージャー
上岡直子氏 ワールドラーニング プログラムマネージャー



 このセッションでは、午前中に行われた分科会の報告、討議を通して出てきた次のポイントについて発表するよう求められた。

ビジョン: 日米NGOの協力が進む中で、促進させたい重要な政策またはプログラムのイニシアティブについて
アクション: これらイニシアティブの進展を可能にする具体的な3つの活動について
資源: この活動を実施するために必要な、人的、財政的、物的な資源について
支援: いかにしてこれらの資源を得ることができるかについて
発見: 分科会の議論のなかでもっともインパクトのあった視点・見識について

分科会1-A: 政府開発援助(ODA)の量、質、プロセスを向上させる方法

 ODAの向上について真剣に考えるならば、ビジョンを明確にし、またNGOが政策決定過程にどのようにかかわれるかをはっきりさせなければならないという意見の一致が見られた。米国の自発的対外援助に関する顧問委員会(ACVFA)は国際開発庁(USAID)への直接のアクセスをもっており、政府にアドバイスを与える直接的な役割を担っている。両者は、お互いを尊重しあう関係をもっている。ワシントンDCにあるNGOのネットワーク組織もまた、政策提言をうまくやっている。政策に現場で起こっていることを関連づけることはきわめて重要なことである。NGOは官僚とは異なる視点を持っており、それゆえ政策策定の場においてNGOの声が反映される必要があるのである。政策策定にNGOが影響を与えられるのであれば、次に必要になるのは、援助の現場でのプロジェクトの計画、実施、モニタリング、評価においても関与していくことだ。個々のNGOはさほど大きな影響力はもてないが、NGOがまとまることによって大きな力を発揮する。それゆえ、日米のNGOも一緒に取り組めば影響力や強みが増すであろう。

 このセッションでは、資源の問題やサポートの必要性について最も時間を費やした。議論の最初のところで、政策決定過程や関わるべき政策の見極めの過程にいかに関与できるという話題が出て、これが大きな発見となった。これがはっきりして初めて、NGOは何ができるのかということに議論が移り、NGOは政策決定過程において役割を果たせるような能力があるということを証明しなくてはならないという点に至った。NGOはモノを提供する役割から、影響力を行使する役割へと移行することが課題である。NGOは経済的、社会的に影響力をもち、行動への引き金とならねばならない。今後は、特にこの問題に焦点を絞ったフォローアップが必要であると考える。

分科会1-B: セクターを超えた包括的な発展

 このセッションでは人口と環境問題を取りあげ、両方の問題が交叉しているグァテマラでの事例に関するプレゼンテーションがあった。
* ビジョン
・ セクター間の壁を取り払う必要性。過去には、人口、保健、農業、環境、ジェンダーの問題がすべて別々に扱われていたが、それらは一緒に考えられるべきである。
・ ジェンダーの問題はすべての分野に横断的に係わる問題と捉える。
・ パートナーシップはプロジェクト実施と政策の両面において必要である。
* アクション
・ 日米のNGOが活動を共にするとして、パートナーの相手がもっている政府機関とのコンタクトを利用する必要がある。
・ 特にジェンダーのプロジェクトにおいて南と南の協力を促し、一般に広く知らせる必要がある。
・ 北と南の両方において、政策提言にはセクターを超えたアプローチが必要。セクターを超えたアプローチを行うための能力開発が必要。
* 資源
・ さまざまな分野のNGOが人的資源を提供できる。
・ ドナーは伝統的に分野ごとの問題に対して資金援助をしてきたが、NGOが分野横断型で協力することで、これまでより大きな資金がより包括的なアプローチのために使われることになる。
・ NGOが政策のレベルで仕事をすることになれば、政府のプロジェクトにより近い存在となり、もっと大きな規模で政府との仕事ができるようになる。
* 支援
分野間の溝を埋めるための資金投入が必要である。この分科会ではパートナーシップに関してたくさんの意見が聞かれたが、それを実現させるには、資金の投入が必要である。CSO連絡会や日米官民パートナーシップといった、つなぎ役としてのメカニズムや機関に資金投入を図る必要があるのではないか。
* 発見
包括的なアプローチをとることはあらゆるレベルで不可欠なものである。パートナーシップ形成に関しては、自分たちの活動分野よりも広い範囲で人と資金を投入することが重要である。それにより、自分たちのニーズを超えて地域社会のニーズに注目し、ドナーと連携し、地域住民の一部の人々のみを相手にしているのではないことを明確に示すことができる。

分科会1-C: 地域に根ざした開発

 地域に根ざした開発というのはとても複雑なトピックで、議論は丸1日あっても尽きないぐらいだが、このセッションでは現場における実践をもとに話し合いを進めた。
 まず最初に、地域に根ざした開発こそが政策提言を含んだすべての活動の基礎であり、開発援助の核であることが確認された。どのようにして地域に根ざした開発を達成するのか、そして、南のNGOも含めた外部者の役割についてどう考えるのかが話し合われた。地域に入って行く時に外部者に寄せられる期待をいかに管理するかは、重要だが単純ではない問題である。単に経済的なものにとどまらない長期的なコミットメントが必要になってくる。相互の理解と信頼の醸成のためには、水平的な横のつながりを発展させなくてはならない。そして、北側の人々が問題を自分たちのものとして認識することが不可欠である。NGOはもっと自分達の経験を多くの人々と共有する必要がある。今回の会議のような議論はこれからも継続されなければならない。政府機関は地域に根ざした開発がどういうものか、それを体験レベルで理解する必要がある。現在、地域に根ざした開発に対する政府の理解はうすく、物事を単純化してすべてに青写真を押し付けてくる傾向がある。だからこそ、対話が必要となっているのだ。
 ここまでの報告に対し、以下のコメントが出された。
* NGOのプロジェクトについて具体的な事例提示をしてほしい:日本政府が市民社会からのインプットをどのように政策決定に反映させるかを考えるために、プロジェクトの具体的な事例はとても参考になる。現場からの具体的な提案、特に政策課題に還元できるものがあると望ましい。事例の紹介はとても有用で、NGOが実践的、具体的に貢献できる分野である。
* 地域に根ざした開発と包括的なアプローチに関して:この2つの概念は緊密に関係しているようだ。NGOは地域のニーズを詳細に分析する能力を持っている。地域それぞれが異なる環境にある中で、NGOは受益者の顔を知ることから始めて、その地域の分析に時間を費やす。同様に、時間は戦略を練ったり、浮かび上がってくる問題を解決するためにも必要である。NGOは地域と深く関わりながら、地域と共に活動していく能力を築く必要がある。その意味で、NGOは現在とても大切な時期にいるといえる。
* 開発の仕事が置かれている大きな文脈を理解する必要性:開発というものは、その背景となっている広く深い問題をよりよく理解することによって、加速度がつくプロセスではないか。開発はこのような学びを体現していく必要がある。

分科会2-A: 民間セクターの公的金融のガイドライン?説明責任を果たし、質的向上をはかるために

 このセッションでは、民間セクターの金融に関する透明性と説明責任のメカニズムについて考察を行った。海外直接投資の量はODAよりも大きく、それゆえ、その影響を充分に検討することは意義深い。分科会のパネリストはすべて、透明性を高めるメカニズム作りに関わった人々であり、実際のモデルに関して議論が交わされた。
* ビジョン:日米のNGOは国際金融機関の透明性や説明責任の向上を要求していく必要がある。
* アクション:多国間開発銀行に対する政策提言活動をより活発にする。
* 資源:政策提言やアドボカシー活動をしている団体は独立の財源を確保しなければならない。また、NGOセクターの幅広い層からの政治的支援も必要だ。NGOはODAや世界銀行を変えようと提言活動を行っているが、多国間開発銀行全般を相手にした行動はまだ少ない。
* サポート:民間セクターやこれら金融機関の議題にしぼった特定のフォーラムの必要がある。これまでもそのような会議はとても有益だった。
* 発見:開発における民間セクターの影響力については理解が進んできている。日米のNGOには、これをさらに推し進める重要な役割がある。

分科会2-B: グローバル・へルス

 このセッションでは、いかにして日米のNGOが保健分野でのプログラムを最大限に効果的なものにできるかを中心課題として話し合いが進められた。異なる抽象度の議論があり、ビジョンに関するものと、一方でジョイセフやMSHの具体的な事例についての報告があった。この分野ではこれまでの協働作業によって多くの蓄積がすでにあり、現在それらのインパクトをさらに拡大したいと考えている。
* ビジョン:保健分野における日米NGOの協調を高め、活動の効果を増大させるとともに、資源の拡大を図る。
* アクション:どこから取り組み始めるべきかを確認するために、保健分野で活動する日米のNGOについて調査する必要がある。互いの比較優位性をより確かに把握するために、現場レベルで互いが顔を合わせる会合を持つことが必要となる。パートナーシップの意味を理解するために、協調努力がはかられるべきである。
* 資源:データベースやウェブサイトを使って日本語と英語でドキュメント化することが、物理的なツールとなるだろう。経験を共有するためのフェローシップ制度や、キャパシティ・ビルディングのためのトレーニングなどは価値のあることである。日米双方において人的資源は必要であり、JICAや外務省、USAIDからの援助を考えるべきだ。ドナーが、これら日米NGOの取り組みに対して財源を提供するには、ドナーとしてのニーズを果たす理由づけが必要になってくる。

 焦点の絞られた活動のためには、現場レベルで協調すべき国を選定することが必要になる。財源確保のためにも、このアプローチが有用であろう。

分科会2-C: 教育分野における日米NGOの連携の可能性

このセッションでは、教育と開発に関する開かれた議論の場がもたれた。
* 発見:日米の協力を考えるには、やり方の違いについての考慮がなくてはならない。日本側は慎重に熟考を重ねて計画する一方、米国側はビジネスで使われる用語や計画手法を用いる傾向がある。
* アクション:情報交換と同様にスタッフ間の交流も必要である。やりながら学ぶというのは、学びの方法としても有効で、参加者の経験にとってもプラスである。
* ビジョン:日米のNGOの両者の強みについて認識する。例えば、生活能力の訓練などは米国側が提供できるもので、日本側は市民参加の手法について強みをもっている。両者に共通の価値を作り上げていく必要があるが、残念ながら財源には限りがある。情報交換だけでもなされれば、大きな一歩となる。
 
   
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