グローバル市民社会ニュース 第17号

02.02


非営利活動の社会影響評価 ロンドンで専門家ネットワーク結成 (2011.12.5)


社会影響(インパクト)評価をおこなう有志のネットワーク、SIAA (Social Impact Analysis Association) が、12月1日 ロンドンで発足した。営利の世界では、インパクト評価に関する資格制度があり、専門家として影響力を持つ人材がいるのに対し、非営利の世界ではそれに類する専門的な基準が共有されていない。このような営利と非営利の間の社会的な地位の違いについての現状を打破することがSIAA誕生のひとつの目的となった。

SIAAは、インパクト評価が何を意味するのかというところを出発点に、インパクト評価をおこなうことがドナーを始め誰にどのように影響を与えるのかなどについて検討を始めている。今後は、評価方法や評価のデザイン、国際間の評価などを共有するためのウェブフォーラムの立ち上げや、評価や分析、報告等をカバーする原則やガイドラインの作成を計画している。

SIAAには現在約75人のメンバーがいる。

 

出典:Philanthropy News, Posted on 5 December 2011 by Caroline Hartnell and Alliance magazine
http://philanthropynews.alliancemagazine.org/page/9/

カンボジアNGO、協議を拒否 NGO法の最新草案、政府提出 (2011.12.9)


カンボジア政府は、「組織とNGOに関する法案 (Law on associations and non-governmental organization – Lango)」の第4次草稿を提出したが、多くの国内・国際組織はすぐさまこれを拒否する姿勢を示した。

Langoは2010年12月、フンセン首相により、市民社会組織を規制する目的で提案され、昨年1年の間に市民組織とのコンサルテーション等を踏まえ3回書き直された。月曜日(12月19日)には、今回提出された草稿に関して、政府主催のコンサルテーションが行われる予定だったが、国内の代表的なNGO連合等は、準備のために与えられた時間が短く、草稿を精査することができないと、これを欠席する意向を示している。

今回の第4次草案には評価できる改善部分もあるが、国内外の人権組織からは、言論と集会の自由が保証されるべき市民社会の権利に制限を加えるものとの批判が出ている。

 

出典:The Guardian
http://www.guardian.co.uk/global-development/2011/dec/19/fourth-draft-cambodia-ngo-law?INTCMP=SRCH

世界の善意、やや上向き 世界寄付白書2011が報告 (2011.12.20)


Charities Aid Foundation(CAF)は、世界寄付白書2011 (The World Giving Index 2011)を発行した。これによれば、世界で最も慈善活動の盛んな国は、1位米国、2位アイルランド、3位オーストラリア、という結果になった。世界寄付白書は世界各国の慈善活動を集計した大規模調査で、「寄付」と「ボランティア」と「他人を助ける」の3項目から成っている。全体でみると、ここ1年のあいだに「他人を助ける」人は2%増加し、「ボランティアをする」人は1%増加している。ただし、世界的な不況の影響で、寄付人口は1%弱減少している。

1ヶ月のあいだにする行為として、「他人を助ける」のは全体の47%。これに対し、「寄付」は29%、「ボランティア」は21%。世代別に見ると、寄付は高齢者世帯で増加しており、「他人を助ける」行為は中年層に多い。英国は、世界で2番目に寄付の盛んな国であり、毎月79%の人が寄付をおこなっている。寄付の最も盛んな国はタイで、人口の85%が寄付をおこなっている。特にアジアでは寄付人口の上昇が見られ、東南アジアで9%、南アジアで10%増えている。

CAFの最高責任者であるJohn Low 氏は「影響ある立場にある人達は、自らの慈善活動を通じてチャリティを盛んにしていくべきであり、寄付金に対する優遇税制は、シンプルかつ最新であるべきで、インターネット寄付に対しても効率的に機能するようなものでなければならない。」と述べている。

 

出典:Charities Aid Foundation
https://www.cafonline.org/media-office/press-releases/2011/dec-2011/uk-fifth-most-charitable.aspx

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