ポストMDGs「目標とターゲット」の具体像は 第3回政府間会合が終了

04.23


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【2015年4月8日 東京発】2015年3月23日〜27日に、ニューヨークの国連本部にて持続可能な開発目標(SDGs)の「目標とターゲット」に関する政府間交渉が開催された。本会合は、去る2月に行われた「宣言文」の会合に続くものだ。

この会合に参加者を派遣したサステナビリティCSOフォーラムは、5日間に渡る会合の内容を次のように報告している。

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本会合では、持続可能な開発目標に関するオープン・ワーキング・グループ(Open Working Group on Sustainable Development Goals=OWG)の17個の目標、169個のターゲットからなるSDGs案を土台に、設定された指標やターゲットの正当性についての議論が行われた。

会合に先立って国連統計委員会(Bureau of the United Nations Statistical Commission=UNSC)が叩き台となる文書を作成し、これに対する70ヵ国からの反応を取りまとめた報告書が用意された。また、共同議長によってターゲットに関する修正案を示す文書が会合初日に提示され、会合はこれら2つの文書に対する意見表明を中心に進められた。

すでに大筋で合意が得られているOWG案を尊重し、議論の蒸し返しは避けるべきとの意見が大勢を占めた。しかし、どのようにしてを尊重するかについては、「デリケートな政治バランスで議論された内容の蒸し返しには断固反対」(G77+中国ら)、「野心レベルを下げないことに配慮してさらに吟味すべき」(先進国)と立場に差異が見られた。

指標の内容については、国際的な指標設置の重要性を共有した上で、国や地域別の指標設置の重要性を確認。また、各国の統計能力の向上策、各分野の専門機関や民間セクターから指標データ提供への貢献に関する提言がなされた。指標の検討に際しては相応の時間が必要との認識が共有され、9月の持続可能な開発に関するサミットにおいてではなく、2016年3月の国連統計委員会で承認される見込みとなった。

市民社会の参画については、25日に開催されたメジャーグループおよびステークホルダーとの対話セッションにおいて、市民社会側による意見表明の場が確保された。これに加えて共同議長から、指標に関する今後の検討プロセスにおいても市民社会の参画を確保するよう、国連統計委員会への提案がなされた。

今後は、OWGによるSDGs案で具体的な数値目標が定められていないもの、また、既存の分野別国際目標との整合性が取れていないものを中心に議論が継続される。5月中旬に予定されている草案(ゼロ・ドラフト)の発表を待って、さらに踏み込んだ議論が展開されることが見込まれる。

Photo by IISD/ENB

出典:サステナビリティCSOフォーラム
原題:ポスト2015年開発目標第3回政府間会合参加報告(1)
URL:http://sus-cso.com/sdgs/report150408

出典:Sustainable Development Knowledge Platform
原題:POST-2015 INTERGOVERNMENTAL NEGOTIATIONS (SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS AND TARGETS)
URL:https://sustainabledevelopment.un.org/post2015/sdgsandtargets

出典:International Institute for Sustainable Development (IISD)
原題:Summary of the Third Session of Intergovernmental Negotiations on the Post-2015 Development Agenda
URL:http://www.iisd.ca/vol32/enb3216e.html

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