グローバル市民社会ニュース 第15号

10.08


国連ミレニアム開発目標サミットに対するNGOの声明 (2011.9.22-23)


市民社会の国際的な連合組織であるCIVICUSは、国連サミット閉会後の9月23日に発表した声明で、「国連サミットは、これまで破られ続けてきた国際社会のミレニアム開発目標(MDG)に関する約束を、それが手遅れになる前に果たさせる機会だった」と述べた。3日間のサミットのあいだに、2015年までにMDGが達成できるように残りの5年間でなにをすべきか、数多くの行動計画が市民社会代表や政府代表から示されたが、具体的なコミットメントは示されていないことに失望感を示した。肝要なのは、MDG達成に向けた努力と国際人権規約の枠組みとの整合性を確保し、国レベルと国際レベルでの目標達成のための説明責任の強化をはかり、これらの過程における市民社会の参加を促すことだとしている。

出典:CIVICUS
http://www.civicus.org/press-release/1545


アムネスティ・インターナショナルは、9月22日に声明を発表し、各国政府によって合意されたMDGサミットの行動計画は、世界の最貧層の権利擁護の期待を裏切るものだと弾劾した。根強い差別や人権侵害が続くなかで、少なくとも数百万規模の人々がMDG達成の努力から取り残されている。にもかかわらず、国際社会のリーダーは、今回のサミットの機会にMDGの中心に人権確保を据えることを怠った。サリル・シェティ事務局長は、2015年の期限まであと5年に迫ったなかで、「国際社会のリーダーが差別や人権侵害と闘うための具体的な行動計画をいまだ示していないことは容認できない」と述べている。

出典:Amnesty International
http://www.amnesty.org/en/library/info/IOR41/029/2010/en


国際的な貧困削減のための市民社会ネットワークであるGCAP(貧困をなくすためのグローバル・コール)は、国連MDGサミットの機会に「もはや議論のときではなく行動のときである」という声明を発表した。2000年に189の国によってミレニアム宣言と8つの分野で貧困削減のための2015年までという時限つきの明確な達成目標であるMDGが採択された。残り5年となったいま、いくつかの分野での前進がある以外、MDG達成にはほど遠い状況にある。世界的な金融危機や気候危機が貧困に増大させている一方、各国政府の行動計画や財源確保の約束は破られている。残りの時間で飛躍的な前進がない限り、2015年の期限がまもられることは考えられない、としている。

出典:Global Call to Action against Poverty
http://www.whiteband.org/blog/archive/2010/09/20/no-more-talking-2013-it-is-time-for-action-governments-be-accountable-to-the-citizens-of-the-world-and-fulfill-internationally-agreed-commitments-to-end-poverty/

レポート『Progress for Children』がミレニアム開発目標達成のための新しいアプローチを提唱 (2010.10.27)


ユニセフでは、MDG達成状況についてのレポート『Progress for Children』を毎年発表しているが、今年も9月7日に2010年度版『Progress for Children-公平なMDGの達成』を発表した。レポートは、乳児死亡率が貧困層では富裕層の2倍以上になることや、男子に比べて女子の教育レベルが低いこと、地域的にはアフリカサハラ砂漠以南地域や南アジアの国々でMDGの達成率が低いこと等をあげ、MDGの達成には格差是正のアプローチが有効であるとしている。

出典:UNICEF
http://www.unicef.org/childsurvival/index_55896.html

バングラデシュとスリランカにおける労働搾取 (2010.8.13)


バングラデシュとスリランカの衣料・服飾産業の労働搾取に対して非難の声があがっている。国際人権NGOヒューマンライツウォッチは、バングラデシュで7月におこった暴動で政府が労働者を強行に制圧したことに関して、労働者をスケープゴートにするものだと批判した。安全な労働環境の確保、結社の自由と組合結成の権利、最低賃金の保障などの権利をないがしろにしたままで労働者を責めることはできないと主張する。一方スリランカでは、米国の労働組合の連合体、AFL-CIOが米国政府に対して労働者の権利侵害の調査を申し立てたことに端を発し、EUがスリランカ政府に対し、ILOの協定に従わないなら、EUとのあいだの特恵関税制度および関税譲許を適用しないと警告している。

出典:Inter Press Service
http://ipsnews.net/news.asp?idnews=52484

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