グローバル市民社会ニュース 第14号

07.30


スレブレニツァの虐殺から15周年 (2010.7.8)


7月11日は、1995年のボスニア紛争中にイスラム教の男性8000人が殺されたというスレブレニツァの虐殺から15周年にあたる。国際刑事裁判所によって正式にジェノサイド(大虐殺)と認定されたこの事件の記念日は、国際人権宣言にうたわれている保護する責任と安全の権利について考えるよい機会だ。当日は、ボスニア難民の逃避経路をたどるピースマーチやボスニア・ヘルツェゴビナでの記念式典などが予定されている。

出典:Every Human Has Rights
http://everyhumanhasrights.org/index.php?option=com_content&view=article&id=74:15th-anniversary-of-the-srebrenica-massacre&catid=9:human-rights-news&Itemid=1

クリントン長官、市民社会の活動制限を憂慮 (2010.7.5)


政府と市民社会組織が参加する国際的なイニシアチブである民主主義のためのコミュニティ(議長:カナダ政府)は、7月3日にポーランドのクラクフでハイレベル会合を開いた。基調講演でヒラリー・クリントン米国務長官は、民主主義の確保における市民社会の役割を強調し、市民社会の活動を制限する法制度の導入や人権活動家への締め付けが世界各地で起こっている事態を憂慮し、こういった流れを止めるよう各国政府が行動を起こすことを促した。このイニシアチブのメンバーである市民社会組織、アーティクル19、CIVICUS、国際非営利法センター(ICNL)、世界民主主義運動(WMD)は、世界各国の市民社会法制度の動きを監視する独立機関の設立など、クリントン長官が提唱したアクションプランを実行に移すことなどを提言している。

出典:CIVICUS
http://www.civicus.org/csw_files/Government_must_do_more.pdf

国連、新部局“UN Women”を設立へ (2010.7.2)


国連総会は全会一致で新部局「UN Women」を立ち上げることを採択した。女性の地位向上部、ジェンダー担当特別顧問事務所など4つの組織を統合して新設され、事務次長クラスの責任者を置き、国連機関や加盟国によるジェンダー平等や女性のエンパワーメントに関する取り組みを支援する。国連非政府リエゾンサービス(NGLS)によれば、これは長年にわたる国連加盟国による交渉と女性団体・市民社会の活発なアドボカシー活動の結果であるという。

出典:UN-NGLS
http://www.un-ngls.org/spip.php?article2709

ベターエイド、国連開発協力フォーラム(UN-DCF)に向けた声明を発表 (2010.6.29)


援助・開発効果向上に関して取り組んでいる市民社会組織の連合体、ベターエイド(BetterAid)は、ニューヨークで開催される国連開発協力フォーラム(UN-DCF: Development Cooperation Forum)に向けた声明を発表し、多様なステークホルダーが参加して開発政策を議論する同フォーラムの意義や強化の必要性を指摘しつつ、1)政策一貫性の推進、2)国際金融・開発協力の制度改革、3)複合的な危機下の資源配分、4)南南・三角協力等の効果的な協力形態の推進、5)アカウンタブルで透明性のある開発協力、6)相互アカウンタビリティの尊重、7)DCFプロセスにおける市民社会の制度的参加の確保、の項目からなる政策提言を行った。

出典:BetterAid
http://www.betteraid.org/index.php?option=com_content&view=article&id=349%3Abetteraid-statement-to-the-un-dcf-in-new-york&catid=160%3Aunited-nations-&Itemid=86&lang=en

水不足はすでに21世紀の深刻な課題に (2010.6.18)


WWF英国の事務局長デービッド・ナスバウム氏はロンドンの土木工学研究所のイベントで、給水不足はすでに多くの地域で深刻化しており、21世紀の大きな課題になっていると警鐘をならした。同氏は、食料やエネルギーの需要に応え、地域紛争を防止するためにも、継続的な給水が欠かせないとし、地球は「水の惑星」であっても飲料水になる淡水は全体の1%以下だと指摘した。淡水化などの技術革新は助けにはなるが、同時に農業での水需要に目をむけるなどの「社会革新」が必要だと述べた。

出典:EDIE (Environmental Data Interactive Exchange) Legal Resource Centre
http://www.edie.net/news/news_story.asp?id=18321

SAIとIFCが労働基準改善のためのハンドブックを発行 (2010.6)


人権NGOのソーシャル・アカウンタビリティ・インターナショナル(SAI)は、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)と共に、IFCの融資・投資先となる民間企業を対象に「Measure & Improve Your Labor Standards Performance(労働基準の慣行の測定と改善)」というハンドブックを発行した。ハンドブックは、1)ビジネスケースの構築、労働基準慣行の要素、自社の労働基準慣行、自社内に効果的な労働基準慣行チームを作るには、サプライチェーンにおける労働基準慣行、ステップ・バイ・ステップ・ガイド付の経営システム用ツール、の項目から成り立っており、サンプルがサイトから入手できる。

出典:SAI e-Newsletter
http://archive.constantcontact.com/fs033/1101273597722/archive/1103510689799.html

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