SDGsをどのように管理するのか フォローアップについて各国政府が議論

06.20


1505_5th【2015年5月22日 ニューヨーク(米国)発】2015年5月18日〜22日に、ニューヨークの国連本部にて持続可能な開発目標(SDGs)の「フォローアップとレビュー」に関する政府間交渉が開催された。本会合は、去る4月に行われた「実施手段」の会合に続くものだ。

会合では主に、ポスト2015年開発アジェンダをどのようにしてフォローアップするのかを議論。国際的なフォローアップとして、ハイレベル政治フォーラム(High Level Political Forum=HLPF)を活用することが概ね合意された。

しかし、HLPFを中心にどのような体制でフォローアップを行うのか、例えば、HLPF自体がその役割を負うのか、あるいはHLPFを中心とした枠組みを構築するのかという体制の問題や、国際・地域・国というどのレベルまで責任を負うのかなどについては、意見が一致していないため、さらなる議論が必要とされる。

会合の中で日本をふくむ数ヵ国の政府は、「広範かつ相互に関連するポスト2015年開発アジェンダのフォローアップをHLPFのみに委ねることは不可能」として、世界貿易機関(WTO)や経済協力開発機構(OECD)等の各目標に関係する枠組みを活用するべきと発言。また会合の中では、法的拘束力を持つ既存の枠組みを活かすべきとの提案もなされた。

フォローアップに関連して、現在提案されている目標案についても議論がなされた。会議に先立って共同議長から提出された21のターゲット案に対しては、「いかなる修正も受け入れない」という途上国側と修正案に概ね賛成した先進国側とで立場が分かれた。また、具体的な数値目標が定まっていない項目については、「数値目標が明確ではないものは採択できない」「各国に決定の余地が残されるべき」と立場に隔たりが存在する。

過去の会合と同様に、7月にアディスアベバ(エチオピア)で開催される開発資金に関する第三回国際会議(The third International Conference on Financing for Development=FfD3)との関連性についても取り上げられたが、これについてはFfD3の成果を待って再び議論がなされる。

本会合は、フォローアップとレビューやHLPFの役割、そしてこれらを巡る文章表現についての合意形成が非常に困難な作業であることをあらためて浮き彫りにした。

今後は、2015年6月1日前後に共同議長がSDGsの素案(ゼロ・ドラフト)を公開。その後、2015年6月22日〜25日(4日間)、および7月20〜24日、27〜31日(10日間)にわたって成果文書に関する政府間交渉が予定されている。

Photo by IISD/ENB

出典:International Institute for Sustainable Development (IISD)
原題:5th Session of the Post-2015 Intergovernmental Negotiations (Follow-Up and Review)
URL:http://www.iisd.ca/post2015/in5/

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