持続可能な開発資金に関する政府間専門家委員会(ICESDF)が最終報告書を提出 第69回国連総会で継続議論

10.14


Money - Black and White Money【2014年8月8日 ニューヨーク(米国)発】持続可能な開発資金に関する政府間専門家委員会(ICESDF)は、最終報告書「持続可能な開発資金に関する政府間専門家委員会による報告書(Report of the Intergovernmental Committee of Experts on Sustainable Development Financing)」に合意した。同報告書が取り上げる内容は第69回国連総会にて引き続き議論される。

同報告書は、国際的な政府貯蓄と民間貯蓄の合計額は昨今の開発ニーズを満たしているものの、持続可能な開発への投資に対するリターンが、特に短期的な局面において他の投資機会と比較して魅力的ではないという点を指摘。また、(開発に必要ながらも)利益重視の投資家が避ける分野に対して必要な公的資金を、各国政府が確保できていないとも述べた。

指摘された現状に対しては、公的資金を持続可能な開発のために動員する一方で、公共の目標と投資家のインセンティブをより調和させること、これらの分野に対する利益重視の投資を促す政策フレームワークを創ることが解決策となり得るとした。

また、汚職削減の重要性を指摘。加えて、政策とインセンティブによって投資家の志向と投資先のニーズをより近づけること、例えば、長期的な取り組みが求められる持続可能な開発が短期的資金に依存しないようにすることの重要性を強調した。

同報告書は、これら課題を解決するための単純な1つの政策は存在しないが、政策、制度、プログラム、手段などさまざまな組み合わせが可能なオプションを1ヵ所に集め、各国の政府が適切に取捨選択できるような仕組みが必要だと結論づけた。

また、同報告書では昨今の開発資金におけるトレンド、例えば、開発における資金的ニーズと資金フロー、資金の拠出元と使途の分析や、持続可能な開発のために動員が可能な資金拠出を強化するための政策オプションについての考察などもなされている。

ICESDFは今回の最終会合を経て同報告書に合意するまでに、5回の本会合、複数回の地域会合、非公式のマルチ・ステークホルダー対話などを重ねてきた。

▼持続可能な開発資金に関する政府間専門家委員会による報告書(Report of theIntergovernmental Committee of Experts on Sustainable Development Financing)のダウンロードはこちら(英文・PDF)
http://sustainabledevelopment.un.org/content/documents/4588FINAL%20REPORT%20ICESDF.pdf

photo credit: @Doug88888 via photopin cc

出典:International Institute for Sustainable Development (IISD)
原題:ICESDF Concludes Work, Forwards Report to UNGA
URL:http://sd.iisd.org/news/icesdf-concludes-work-forwards-report-to-unga/

ページ上部へ戻る