ハイレベルパネル、ポスト2015年開発アジェンダへの答申をまとめた最終報告書を発表

06.10


【2013年5月31日】ポスト2015年開発アジェンダ策定のためのハイレベルパネル(以下、ハイレベルパネル)は、報告書「新たなグローバルパートナーシップ:持続可能な開発を通じた貧困解消と経済の転換」(A New Global Partnership: Eradicate Poverty and Transform Economies through Sustainable Development)を発表した。

▼報告書「A New Global Partnership: Eradicate Poverty and Transform Economies through Sustainable Development」のダウンロードはこちら
http://www.post2015hlp.org/wp-content/uploads/2013/05/UN-Report.pdf

この報告書はポスト2015年開発アジェンダに対して、5つの大きな変化を要請している。以下はその要約。

●誰一人として置き去りにしないこと。2015年以降、私たちはあらゆる形態の極度の貧困の「削減」ではなく「解消」へと歩みをシフトさせるべきだ。民族やジェンダー、地理、障害、人種を含むあらゆる条件にかかわらず、誰もが基本的な経済の機会と人権を否定されないよう保証するべきだ。

●持続的な開発を中心に据えること。私たちは、持続可能性の社会、経済、環境的側面を1つに統合しなければならない。人類に前例のない脅威をもたらす気候変動と環境破壊の進行を食い止めなくてはならない。

●経済を雇用と包含的な成長へと転換すること。適切なイノベーションや技術、ビジネスが持つ潜在能力の活用を伴う経済の大胆な転換は、極度の貧困を解消し、生活を向上することができる。万人に平等な機会があり、より多様性のある経済は、特に若者の社会への参画を促進し、持続可能な消費と生産のパターンを育む。

●平和のために、効果的かつ開かれた、説明責任の伴う制度や機関を構築すること。紛争や暴力からの解放は基本的人権の核であり、平和で豊かな社会を構築する土台である。同時に、世界中の人々は政府が正直であり、説明責任を果たし、人々のニーズに対する責任を果たすことを当然のこととして求めている。平和とよい統治(グッドガバナンス)を付帯的なものとしてではなく、あるべき社会の最重要要素として認識するという抜本的な変化を求める。

●新たなグローバルパートナーシップを構築すること。新たな連帯や協力、そして相互責任の精神がポスト2015年開発アジェンダを支えなくてはならない。新たなパートナーシップの基礎は、人類の未来に関する共通理解、ならびにお互いへの尊重と相互利益にある。また、パートナーシップの主体には、政府にとどまらず、極度の貧困にある人々、女性、障害者、少数民族、市民社会、国際的な組織、自治体や中央政府、学術機関、企業、民間の慈善活動を含める必要がある。

報告書の性質と今後

この報告書は、ミレニアム開発目標(MDGs)の歴史的な成果をさらに積み重ねるために作成され、121ヵ国において、のべ5000以上の市民社会グループと対話を含め、世界中の人々とパネルメンバーの間で行われたコンサルテーションにおいて聞かれたさまざまな声を反映している。

またこの報告書は、国連が主導するポストMDGs開発アジェンダ策定プロセスへのインプットとして、潘基文国連事務総長に提出された。潘事務総長には、MDGsに次ぐ開発アジェンダのビジョンを、2013年9月に行われる総会において国連加盟国に向け表明することが期待されている。

▼報告書「A New Global Partnership: Eradicate Poverty and Transform Economies through Sustainable Development」のダウンロードはこちら
http://www.post2015hlp.org/wp-content/uploads/2013/05/UN-Report.pdf

出典:The High Level Panel on the Post-2015 Development Agenda
原題:HIGH LEVEL PANEL RELEASES RECOMMENDATIONS FOR WORLD’S NEXT DEVELOPMENT AGENDA
URL:http://www.post2015hlp.org/featured/high-level-panel-releases-recommendations-for-worlds-next-development-agenda/

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